お芝居をする上で、相手を思いやる心は非常に大事な要素になります。
そしてこれはお芝居だけでなく日常にも必要な考え方です。
今回はそんなお話です。
そもそも「芝居」は他者目線の塊である
皆さんはドラマや映画を見る時、「演じている人の感情」を考えたことがありますか?
「演じている人の感情」というのは”演じている役”ではなく”演じている人”の感情です。
これは一部の天才を除いて、意外と冷静なんです。
一部の天才というのは、いわゆる『憑依型』と呼ばれるタイプの役者のことで、この人たちは完全に『役になりきる』ことが出来ると言われています。
しかし私のような凡人は『憑依型』は出来ないので、冷静に役を演じていきます。
例えば「悲しい」という感情を表現したい時、憑依型は本当に悲しくなって涙を流すでしょう。
しかし私たちは「悲しい」という感情を表現する時に「悲しく見えるのはどうするべきか」を考えるのです。
この違いがわかりますか?
憑依型は自分も悲しんでいる
そうでない人は悲しそうに見せている
ということです。
つまり「悲しそうに見せる」為に泣いてみたり怒ってみたりするわけなんですね。
これってめちゃくちゃ他者目線なんです。
だって自分の感情を置き去りにして、見ている人の事だけを考えているんですから。
またお芝居における他者目線は、見ている人だけに向けられているものでもありません。
実はお芝居をしている相手にも向けられるべきなのです。
凄く単純な話ですが、もし今すぐに「怒ってください」と言われても怒るのって難しいですよね?
それは当然です。だって怒る理由がありませんから。
つまり「怒る」のには理由があって、その理由を与えるのも役者のお仕事なのです。
したがってお芝居の相手が「怒る」という感情を表現するには、私が「怒らせる」必要があるのです。
だって私は怒らせていないのに、相手は怒っていたら不自然ですよね?
相手の次の台詞や感情表現をしやすくする為に、私たちは他者目線で演じているのです。
なぜ「顔」を見る必要があるのか
例えば今の季節、とても暑いですよね。
外から入ってきた人が額から汗を流しています。
あなたはどうしますか?
「冷房を下げましょうか?」「お茶でも淹れましょうか?」「扇風機ありますよ。」など声をかけることができますよね。
しかしもしあなたが相手の顔を見ない場合、その人が今何を考えていて何をして欲しいのか察することなんてできませんよね?
何を考えているかわからないとお芝居は当然できませんし、ひいてはビジネスも成功しにくくなるでしょう。
ビジネスは誰かの悩みを解消して、誰かの役に立って初めて成り立つものだと考えています。
必ず顧客となる人がいるのに、その人の顔を見ずにビジネスができますか?
相手の「顔」を見て優しくなりたい
ネットやSNSではちょっとした発言がすぐ炎上し、罵詈雑言が飛び交います。
しかし汚い言葉を投げつける彼らも、実際に炎上している人を目の前にして同じことができるか、と言われるとできないでしょう。
だって元は良い人なんですから。
普通に生活していてちょっとした失敗をしたところで、「バカ」だの「アホ」だの「死ね」だの言われる事なんてありませんよね?
みんな面と向かって向き合えば良い人なんです。
それが何故こんなにも炎上が絶えないのか。
それは相手の「顔」が見えてないからに他なりません。
悪口だってその人がいない時に言いますよね?
直接言える人は少ないと思います。
相手の「顔」を見るのは優しくなることでもあるのです。
他人を思いやる心は、いつかあなたの元へ返ってくる
今回は「顔」を見ることについてお話しました。
相手の顔を見る、という簡単なことも意外とできていないと思うことはありませんか?
私も心当たりがあります。
初めは身近な人からでいいでしょう。
大切な人の顔をじっと見てみてください。
あなたに何かを求めているかもしれませんよ。
それが思いやりであり優しさだと、私は思うのです。
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