こんにちは!ともふみです!
今回は演技の中でも「朗読」について語っていきたいと思います。
朗読とは
そもそも朗読にどんなイメージをお持ちでしょうか。
読み聴かせや本読み、ナレーションなど色々なものを想像することと思います。
実際に朗読とYouTubeで検索してみると、様々な名著や怖い話、雑学などの動画が数多くアップロードされていますね。
何万回もの再生回数が物語っているとおり、朗読はながら作業やBGMとして聴くこともできるので、今じわじわと人気が出ているジャンルと言えるでしょう。
朗読とは舞台やドラマと違って台本を持ってやることが多いです。
「だったら簡単なんじゃない?」
「台本覚えなくて楽だね。」
という声が聞こえてきそうですが、残念ながらそうではないんですね。
特にいわゆる朗読CDといった録音して聴いてもらう媒体はまだしも、ライブでやる朗読の緊張感ときたら半端ないんです。
朗読会やライブは超緊張する
朗読会などに参加したことのある、と言う方はどれほどいらっしゃるでしょうか。
コロナ禍の昨今では難しいかもしれませんが、それまでは意外と小さなお店やイベントスペースなどで朗読会などが行われていました。
それは自分が好きな書籍を持ち寄り朗読する、もしくはテーマや作品を決めて、役を決めて朗読するなどがあります。
これらは正直言うと「めちゃくちゃ面白い」です。
本当に和気藹々と朗読をするので、初めての方もプロの方も分け隔てなく楽しめます。
しかしこれが「商業舞台」になると話は180度変わります。
失敗できない緊張感は舞台を越える
朗読会の緊張感は通常の舞台を遥かに凌ぎます。
動きや表情などで表現できる舞台とは違い、椅子に腰をかけ、台本を持ち、シーンとした状況から始まることがほとんどです。
そこからの第一声を間違えるととんでもないことになります。
そもそも朗読に求められるのは、聴きやすさと情景を思い浮かばせる力。
演技力よりも表現力、といった感じです。
台本を持ち、噛むことも許されず、甘噛みも許されず、ピンと張り詰めた空気の中、粛々と行われるのです。
演技と朗読の違い
さて肝心の「演技」と「朗読」の違いを説明します。
もちろんこれは個人の意見ですよ。
先ほども記述しましたが、大きな違いは「演技力」ではなく「表現力」が求められるということです。
演技では役の「感情」を表現するのが仕事ですが、朗読では「情景」を表現するのが仕事だと考えています。
大きな違いとして、まず朗読では「地の文」を読みます。
「地の文」とはセリフ以外の部分、要はその場面の情景や状況、心境を語っている部分です。
舞台では「地の文」を役者の演技であったり演出であったり、もしくはBGMだったりで表現することもありますよね。
その「地の文」も全て読むのが朗読です。
したがって「台詞」と「地の文」の2種類を上手く表現しなければいけません。
もちろん複数人の演者がそれぞれ役だったり地の文だったりと振り分けて行う場合もあります。
ですが逆に全て一人で行うこともあります。
一人で何役もこなすのが朗読の醍醐味でもありますよね。
またナレーションとの違いですが、ここは目的が違うと考えています。
ナレーターの方は「伝える」のが目的であると考えています。
したがって誰もがわかりやすく、理解しやすく伝えることに重点を置いているので、役者がやる「朗読」とは性質が異なります。
私たち役者がやる「朗読」は「想像させること」が目的です。
その場面や心情、情景を聴き手の頭の中に思い起こさせることが目的です。
その為にナレーションとは違う「テクニック」を使うことが多いです。
具体的な演技論
舞台やドラマなどと違って基本的に朗読劇に動きはありません。
イメージ的に近いのは「アフレコ」や「ナレーション」ではないでしょうか。
台詞だけで掛け合いする場合などはまさにアフレコのライブバージョンですよね。
よく声優さんのイベントなどであるのは、これですよね。
そういえば昔よく「ドラマCD」ってありましたよね?
最近はあまり聞かなくなりましたが今でもあるんでしょうか。
話がそれましたが、僕が実際に朗読、それも一人で全部読むタイプの朗読をした時に気をつけたことを紹介します。
抑揚をつけない
僕は元々日ナレに通っていました。
紛いなりにも声優を目指していたので、やっぱり無駄に抑揚とかつけようとするんですよね。
なぜなら「棒読み」と思われたくないから。
声優を目指す者にとって一番言われたくない言葉は「棒読み」なんですよ。知らんけど。
だから変なプライドと固定観念が変な抑揚を生むんですね。
でも朗読、それも地の文では抑揚は不要!
と断言します。
それよりも滑らかに、淡々と読む方が実は聴き手にとっていいんですよね。
また句読点もそこまで意識する必要はありません。
初心者ほど「、」や「。」で間を空けて呼吸してとやりがちですが、息の続く限り読むぐらいの気持ちでも問題ありません。
ただもちろん、文章によっては「間」がいるとこもあります。
例えば場面が切り替わるタイミングや大事な一文、台詞がある場合はしっかりと間を取りましょう。
朗読だから「演技」をしなくていいわけではない
先ほど「演技」と「朗読」は違う、と言っておきながらどないやねんと思っている方もいると思います。
朗読は「表現力」が求められますが、その表現には演技が必要なのです。
例えば「楽しい」雰囲気のある台本の場合、「楽しい」を表現する為には「演技」を取り入れなければなりません。
と言っても椅子に座って読む、もしくはマイクの前に立って読む場合が多いので派手に動き回ることができません。
そう、「顔」を使うのです。
「楽しい」文を読むときは、少し口角を上げてちょっとだけ早めに読んでみてください。
それだけで声は明るくなり高揚感のようなものを伝えることができます。
逆に「悲しい」場面では少し俯き加減で読んでみましょう。
簡単なことですが、ちょっと意識するだけでも声色は大きく変わります。
語りかける
細かい話ですが、お客さんを誰でもいいので一人決めてください。
その決めたお客さん一人に向けて語りかけるように朗読してみてください。
それだけで読み方が大きく変わります。
逆に遠くを見て読んでみてください。
広い「空間」を表現できるでしょう。
このように語りかける対象や距離を変えるだけで、演出する空間を変えることができます。
これだけで表現力は飛躍的に向上します。
誰にでも出来るからこそ、演じることへの入り口に
朗読は難しいです。
それは疑いようがありません。
ですがそれと同時に、誰もが簡単に始めることができます。
小学生の頃、国語の授業で本読みとかありましたよね?
そうです。
あれです。
誰もが一度は朗読をした経験があります。
だからこそ誰にでも出来る、ハードルが高く感じる「演じる」を手軽に経験できるのが朗読の素晴らしいところだと思います。
ぜひ楽しい朗読の世界に一歩踏み込んでみてはいかがでしょうか。
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