ともふみ備忘録

元日ナレ生が演技理論とスケッチャーズを語る。

勘違いしやすい役作りを論理的に考える。

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皆さんも一度は聞いたことがある、「役作り」という言葉。

 

今回は「役作り」について解説していきます。

 

 

役作りとは

役作りとは一体何なのか。

それは簡単に説明すると、「役を作る」ことです。

 

要するに自分が演じる人物がどのような人物なのかを考えることです。

テレビなどで「役作りの為に10キロ落とした」とか「殺陣を習った」とかもありますが、ここでいう役作りはもっと内面的なことです。

 

例えば「進撃の巨人を知っていますか?」という質問にどう答えるか、ということです。

自分が演じる役が進撃の巨人を知っているのか知らないのか。

そのようなことを考えるのが「役作り」です。

 

つまり、自分が演じる役のバックボーンを考えるのです。

そして人物像を練り上げ、自身に落とし込みます。

 

まずは簡単なところから

簡単な役作りからはじめましょう。

プロフィールを作ります。

 

・名前

・年齢

・性別

・誕生日

・出身地

・身長・体重

・学歴

・髪の色

・口癖

・好きな食べ物

・座右の銘

 

など、何だっていいです。

思いつく限り考えます。

 

そうすることで少しずつ人物像が出来上がりますよね。

これはあくまで容姿や内面のことです。

 

思考回路を考える

では続いて自分が演じる役がどのような思考回路を持っているのかを整理しましょう。

思考回路といよりも「心理」と考えた方が正しいかもしれません。

 

正直これは台本を見ればわかります。

台本に全て書かれていますから。

 

これは同時に感情の変遷も知ることが出来ます。

 

「このセリフがあったから、こういう感情が芽生えるだろう。」

「ここではこの感情でなければ、次のセリフが出てこない。」

など、台本全体の感情の流れを考えます。

 

そうすることで、自分の演じる役の心理を掴むことができます。

これはまた別の機会に詳しく解説します。

 

憑依させるか、客観的に演じるか

最後に考慮するのは、自分が憑依型なのか客観型なのかを見極めることです。

これは感情表現の記事でも少し取り上げました。

 

www.tomofumiblog.info

 

基本的には客観型をオススメします。

オススメと言ってできるものではありませんが・・・ 

 

つまり役作りにおける客観型とは、全て考えて演じるということです。

先にも述べた通り、台本の最初から最後までの感情の変遷を全て考えた上で演じるのです。

 

始めから終わりまで感情の流れを掴むことで、安定した演技をすることができます。

しかし絶対にやってはいけないのが、毎回同じ演技をしてしまうことです。

 

正確に言うと相手の反応が変われば、当然こちらの反応も変えなければいけない、ということです。

 

同じ「怒る」という流れの演技であっても、全てのシチュエーションで「大声を出して怒る」のは間違いですよね?

「静かに怒る」というパターンが適している場合も必ずあります。

その時に自分の演技を固めすぎると、そういった時に対応ができなくなります。

 

特に舞台の本番ではありませんが、舞台の稽古中では色々なパターンを試す役者が多いです。

ていうかほとんどです。

逆に違う芝居をしかけることにより、相手の力量を知ることが出来るのです。

大御所俳優はやりがちです・・・

この仕掛けに対応できれば、共演者に一目置かれること間違いありません。

 

またこの仕掛けに対応する為には、「無意識の意識化」というものがある程度わかっていることが前提です。

 

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こうして稽古を重ねて本番を迎えるわけですね。

本番では仕掛けてくることはほとんどありません。

稽古の終盤に固めた演技をそのまますることがほとんどです。

 

もちろん熱量はグッと上がりますが・・・。

 

続いて憑依型です。

客観型は論理的に演技を組み立てるのに対し、憑依型は文字通り役を自分に「憑依」させます。

 

憑依型はシチュエーションごとに適切な対応が出来ます。

これはいわゆる天才です。

 

しかし怖いのが、何の根拠も理論もなく「私は憑依型」と勘違いしている人が意外と多いです。

それは憑依型ではなく、ただの「ノープラン」です。

これが一番厄介で、なぜか自分は演技が出来ると思い込んでいます。

しかし実際に「さっきのあのセリフはどうしてあの感じで言ったの?」と聞いてもあやふやな返事しか返ってきません。

何故なら何も考えていないから。

 

本物の憑依型の方は感覚的に流れをわかっています。

「ここでこう言ったから、ここではこう言った。そのほうがあなたもセリフが言いやすいでしょ?」みたいな感じで、実はロジカルに考えていたりします。

 

決して勘違いしないようにしてください。

 

自分の経験を役に投影させるパターンもあります。

あらゆる経験をしていれば、それが全て役の糧になります。

 

例えばゴルフ好きの役を演じる時に、ゴルフの経験があるかないかで、説得力が大きく異なってきます。

だからこそ役者は多趣味であるべきだと思いますし、恋愛もすべきなのです。

「芸の肥やし」とはよく言ったもので、経験のないものはできないのです。

 

そういった意味では、生活の全てがある種の「役作り」なのかもしれません。

 

知識を取り入れる

これは少し特殊ですが、知識を取り入れることも、役作りの一つです

自分の知らないことは演じられませんから。

 

私は過去に「小平浪平」という人物を演じたことがあります。

私はこの役を演じるまで小平浪平さんのことを知りませんでした。

 

この小平浪平さんは株式会社日立製作所の創業者なのですが、この小平さんに関わる文献や動画をたくさん見ました。

小平さんと関係の深い「久原財閥」や「久原房之助」さんについても調べました。

 

日立の製品も買いました!

これは関係ありません・・・

 

このように自分が演じる役がどのような人物なのか、知る必要があります。

それが実在する人物やモデルのいる人物であれば、その時代背景や当時の生活なども知らなければいけません。

役作りに終わりはないのです。

 

役作りのまとめ

いかがでしょうか。

少しは参考になったかと思います。

 

これはあくまで私が独自に考えたものであり、あくまで初心者向けです。

これらの方法が全てではありませんし、十分ではありません。

 

ですが役作りが演劇において、どれだけ大事なことか少しでも理解していただければ幸いです。