ともふみ備忘録

元日ナレ生が演技理論とスケッチャーズを語る。

【誰でも出来る】論理的に考える感情表現

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演技をする上で避けて通れないのが「感情表現」です。

 

人は簡単に感情表現と言いますが、それがどのようなものか理解していない方も多いのではないでしょうか。

初心者が陥る罠として「感情の出し方がわからない」という意見をよく聞きます。

 

先に結論から述べておきます。

 

感情は出すものではなく、魅せるものです。

 

初心者であればあるほど、「悲しい」セリフだから悲しい気持ちを作って演じるとか、「怒る」場面だから怒りに任せよう、とか考えがちです。

わかりやすい「感情の出し方」をお教えしましょう!

 

 

ということで今回は舞台演劇における「感情表現」について論理的に説明していきます。

「感情表現」を論理的に理解するって矛盾しているようにも感じますよね?

 

 

そもそも感情とは?

そもそも演劇における感情とはどういうものか。

私たちは映画やドラマを見て、「この人悲しそうだな」とか「この人嬉しそうだな」という感情を汲み取ることができます。

 

では私たち何をもってして「悲しい」とか「嬉しい」と判断するのでしょうか。

 

それは役者の言動です。

 

言動と言っても様々な要因があります。

わかりやすいのはセリフ、表情、動きなど。

 

それを見て私たちは感動し、共感し、笑うわけです。

 

何が言いたいかというと、演劇における感情は「演者」ではなく「観客」が判断するものということです。

 

自分の感情なんてどうでもいいんです!

 

 

感情と感情表現は似て非なるもの

感情表現は感情の延長戦上にあるもの、という認識をまずは改めましょう。

 

確かに普段の生活における感情表現は、感情の延長です。

それは誰でも理解出来るでしょう。

 

中には嘘で泣ける人もいるかもしれませんが・・・

 

しかし私たちが求めているのは、演技のうえでの感情表現です。

それを一つずつ紐解いていきましょう。

 

演技における感情表現

話は簡単です。

既に「感情は演者ではなく観客が決める」と説明しました。

 

では観客は何をもって感情を読み取るのでしょうか。

 

わかりやすい例をあげましょう。

「悲しい」という感情を表現したい場合、多くの方は「泣く」というイメージを持つでしょう。

この「泣く」という行為が、「悲しい」という感情の感情表現です。

 

では「俯く」「肩を落とす」「泣くのを堪える」「無理やり笑う」「怒る」「暴れる」などはどうでしょうか。

これらもシチュエーションによっては「悲しい」に当てはまります。

 

つまり「悲しい」という感情に対する行動には、ある程度正解があるということです。

 

簡単に言えば、悲しそうに見えればいいんです。

その為に選ぶ行動が、その役者の個性に繋がるのです。

 

この「悲しい」という感情表現に対して、自分がどれだけ多くの種類を考えられるか、バリエーションを持っているか。

これが役者としての「引き出し」の多さに直結します。

 

ここで選ぶべき動作は、既に述べた通りある程度正解があります。

8割ぐらいの人が共感できるのが理想でしょう。

どういうことかというと、「悲しい」=「泣く」はおそらく100%近くの人が共感出来ると思います。

「俯く」「肩を落とす」「泣くのを堪える」なども多くの肩が共感できるでしょう。

共感というよりも「理解できる」と言った方が正しいかもしれません。

 

例えば「悲しい」という表現が「泣く」という行動しかない場合、もし監督や演出から「ここは泣かないで表現して」と指示があったらどうしますか?

ここで”泣く以外ならこれでどうだ!”とすぐに別の表現が出来ると、その人は演出家に評価され仕事には困らないことでしょう。

 

もちろん「声」や「間」などでも感情を表現することはできます。

それができるのが声優です。

しかしアフレコ現場を見たことはありませんが、おそらく真顔のまま悲しいセリフを言う人は少ないでしょう。

というか難しいと思います。

 

逆に言えば、行動によって声は変わります。

これはマジです。

 

笑顔で喋ればトーンが高くなりますし、泣きそうな顔で喋れば悲しそうに聞こえるものです。

これも感情表現の一つです。 

 

 

感情表現をする為の感情

では実際に演じる側の感情はどうなのか。

 

正直個人差がありますが、理想は「無」だと思っています。

 

というのも実際に芝居をしたことがある方はわかると思いますが、演技中って目まぐるしく状況が変わるので頭の中で考えることが非常に多いです。

そこにある程度段取りや演出が加わります。

さらにそこに感情表現を足していくわけです。

 

感情に任せて動いていたら、演出をおざなりにしてしまう危険性があります。

そうすると照明などが合わなくなったり、最悪の場合は前後の整合性が取れなくなったりします。

 

また感情表現はセリフに合わせて行います。

これはどういうことかというと、準備が必要だということです。

 

例えば「愛してる」というセリフを言う場合、「愛してる」と言いながら感情表現してしまうと、セリフと感情の間にタイムラグが生じます。

「愛してる」と言いながら微笑むのと、微笑んでから「愛してる」と言うのでは全く違いますよね?

この場合微笑んでから「愛してる」と言った方が、見ている側は自然とセリフに対する感情を読み取ることができるので、セリフも自然に流れ込んできます。

 

この一瞬の表現の差が大きな違いを生み出します。

これらは常に先の台本を考慮しながら演じていないと出来ません。

となると感情任せになってしまうと、ここの表現が遅れてしまうのです。

先回りの思考が大事です。

 

前回に述べた「無意識下の意識化」もここに通じます。 

www.tomofumiblog.info

 

感情表現を意識的に行うと、頭の中はグルグルです。

 

これらの理由から、私が思う演じる側の理想の感情は「無」なのです。

 

正確に言うと「無」ではなく、冷静さが求められます。

常に頭はフル回転です。

これを感情に任せて出来る人を、天才と呼びます。

 

感情表現のまとめ

いかがでしょうか。

今回は舞台演技をベースに解説しました。

これがドラマなどの映像作品だと変わってくるのはわかると思います。

 

舞台は常に生の演技、リアルタイムであるからこそ凡人は先々のことまで考えて動いています。

 

  • 感情は観客が判断する
  • 感情表現には正解がある
  • 感情表現する時の感情は無

 

これらを意識するとあなたの演技が少し変わるかもしれません。

そしてこれらを無意識に考えられるようになると、あなたのレベルは一段階上がっています。

 

騙されたと思って試してみてください。