考えて、考えて、考えて。
それでも人と同じならば、それは考え方が間違っている。
それに最も早く気づけた人が、その集団から抜け出すことが出来る。
挑め!地獄の発表会!
そんなこんなでレッスンを重ね、日ナレの事務局スタッフが見にくる発表会を迎えます。
これは事前に告知されているので、心の準備はできています。
当時の自分としては試行錯誤を重ね、素人なりに役作りをし、本番に臨んだわけです。
本番と言ってもいつものレッスンを見てもらうだけなのですが・・・
しかし緊張はするものです。
やっぱり評価に直接繋がりますし、年度末に控えている進級審査と関連オーディションに直結するのです。
ただ後はガムシャラにやるのみなので、当日の芝居のことはあまり覚えていません。
そこまでの余裕がなかったというのが本音です。
個人的にはいつも通りできたと思ったのですが・・・。
ただ中にはセリフがぶっ飛んでしまう人もいましたし、噛み噛みの人もいました。
正直他人事ではないので、震えましたね。
明日は我が身とはよく言ったものです。
しかしセリフがぶっ飛んでも自然と出てくるぐらいに台本を読み込んでいたので、そこは自信がありました。
やはり自信というものは、努力という裏付けのもとに生まれるものなんですね。
そして無事に私のグループは大きなトラブルもなく終わりました。
私のグループは他のグループよりも圧倒的にクオリティが高い自信もありました。
総評とダメ出し
ここからが一番大事です。
お芝居直後のダメ出しが一番伸びるタイミングですから。
それは今も変わりません。
全3グループの発表が終了し、いよいよ総評が始まります。
恐らく事務局の方々は、日ナレ出身で第一線で活躍している声優をたくさん見てきたことと思います。
だからこそ、その言葉には重みがあるのです。
しかし事務所のスタッフから言われたのは、
「面白くないです。」
「みんな同じ。」
恐れていたことが起こりました。
まさに地獄の発表会とでも言わんばかりに、重い空気が教室を充します。
もちろん私自身もずっと感じていたことなので、指摘されるのも納得です。
私としては他のグループと違う演技をしたと思っていましたが、そうは見えていなかったのでしょう。
変えるならば圧倒的に変えなければいけませんでした。
そういう意味では、全く攻めた演技はしていなかったと思います。
事務局のスタッフの印象に残っていないのも納得です。
もしかしたら全てのクラスで言っているのでは?とも思いましたが、そんなことを私が考えても意味はありません。
ありのままで受け入れるべきだと感じました。
この時の経験は、意外と後に舞台などで役に立ってくるので、人生に無駄なことってないんだなーと、今こうして記事を書きながら感じております。。。
しかしこれは痛い。
他のクラスはどうなのかわかりませんが、私たちのクラスでは一切褒められることなく、酷評の嵐でした。
これが今後にどう響くのでしょうか。
当時の私にも、今の私にもわかりません。
気持ちを切り替えて進級審査へ
そもそも進級審査とは、毎年1回、1月に行われる日ナレの内部試験です。
進級審査と関連オーディションの一次審査を兼ねて行われます。
つまり事務所に所属もしくは預かりを目指す為には、まずこの一次審査をクリアしなければいけません。
1年間の全ては、この審査の為にあるといっても決して過言ではありません。
これは日ナレ生にとって非常に大事な審査となります。
これに合格すれば基礎科である私は本科へ、本科の方は研修科へステップアップできるのです。
あまり基礎科から本科への進級で落ちる人は少ないと聞いていましたが、実際に落ちて基礎科2年目の人もいるので決して舐めてかかってはいけません。
内容は基礎科全クラス共通の台本が2本と当日課題が一つで、事前に配布される台本は暗記します。
暗記するといっても短いのでさほど難しくはありません。
『父帰る』の長セリフを覚えた私にとっては余裕でした。
当日課題は文字通り当日に渡され、また全員バラバラの内容になっています。
自分の番が回ってくる数分前まで見ることができないので、順番は関係なくフェアな条件でした。
それを審査員2~3人を相手に披露します。
考えただけでも緊張します。
就活の面接並みに緊張します。
これらの情報は、運良く基礎科2年目のクラスメイトがいましたので事前に知ることができました。
たぶんネットで調べたら簡単に見つかる情報であるとは思います。
「父帰る」の台本をやり終えたので、残るは進級審査に向けて頑張るのみです。
ちなみに進級審査の練習を、レッスン中にすることはありません。
それこそ皆んな同じになってしまうので、各々で練習することになります。
今までは一緒に芝居をする仲間でしたが、これからは少ない椅子を奪い合うライバルです。
あの人はどんなプランで来るのだろう?とか色々考えてしまうかと思いますが、ここは腹をくくって挑みましょう。
こうして私は残り少ない日ナレ生ライフを過ごしていくのです。
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