ともふみ備忘録

元日ナレ生が演技理論とスケッチャーズを語る。

【喜怒哀楽】「感情」と向き合う

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台本を覚えるとか、誰がどの役をやるとか、正直くだらない。

 

自分が出来ること、しなければいけないこと、やりたいことを見失ってはいけない。

 

私たちは、目立ってナンボなんです。

 

前回はこちら!

 

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次なる台本は『父帰る』

「真夏の夜の夢」がヌルッと終わって数週間。

次なる課題は、菊池寛作の戯曲「父帰る」でした。

 

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私のクラスでは役を立候補で決めていました。

ある程度の希望を聞いて人数が多ければジャンケンで決めます。

私はもちろん、主人公の賢一郎を希望しました。

 

正直競合してジャンケンで決めるだろうと思っていましたが、何とすぐに決まりました。

 

ちなみに私が賢一郎を選んだ理由は、圧倒的にセリフが多く、また出ずっぱりだからです。

1回のレッスンに対して自分に与えられる時間が余りにも短いことに気づいていたので、どうにかして自分が演じる時間を増やしたかったからです。

 

しかし中には「セリフが多くて覚えられない」や「キャラに合わない」とか言って別にの役を選ぶ人もいます。

 

覚えられないって、いや覚えろや!

キャラに合わんって声優になりたい奴が言うことか!

 

私は密かにそう、想いました。

声優のことを対して知らない私が、こうも想いました。

 

声優舐めんな!

 

でも実際に、こんなに意識の低い人が多いです。

体感では半分ぐらいいました。

 

グループ分けも無事に終わり、私のグループはクラスでも比較的真面目で上手な人が集まりました。

そして役も違和感がなく、いいグループだったと思います。

 

結果的に私はこの「父帰る」の賢一郎を演じたおかげで、後に500人のお客さんの前でお芝居をすることになるのです。

 

とりあえずセリフを覚える

私がやることは、とりあえずセリフを覚えることです。

役作りの仕方も意味も当時はわかっていなかった為、とにかくセリフを覚えました。

 

自分で言うのもどうかと思いますが、割とセリフの覚えはいい方だと思います。

しかしこのセリフ量を覚えるのは苦労しました。

結構な長セリフなので本当に苦労しましたよ・・・

 

まず覚え方がわからないし、覚える訓練をしていないので中々セリフが入ってきません。

しかも方言というオプション付き・・・

 

私が実践したのは以下の方法です。

 

  • ちょっと覚える
  • ただ只管そのセリフを唱える

 

たぶん参考にならないでしょう。

ごめんなさい。

 

これをやるだけでした。

今ならもっと効率的に覚えられる自信がありますし、覚えるということに慣れているので時間も短縮されるでしょう。

しかし当時はこの方法しか思いつかず、とにかく時間を使って覚えていました。

 

繰り返し繰り返しセリフを唱えます。

特に多かったのがバイトの時間中でした。

バイト中は一人でブツブツ言いながら徘徊していました。

 

そしてバイクに乗りながらブツブツ言っていました。

電車に乗るときはマスクをしてブツブツ言っていました。

 

たぶん相当ヤバイ奴になっていたと思います。

 

でもこうでもしないと覚えられなかったので、仕方ないのです。

 

怒り方がわからない

 

ようやくセリフを何とか覚えられましたが、次に立ちはだかるのが芝居の壁です。

この台本は、賢一郎が突然帰ってきたろくでなしの父に激怒するのが最大の見せ場です。

 

激怒と言っても尋常ではない怒りようです。

しかもト書きには「激しき憤怒を抑えながら」とか「やや冷ややかに」などと書かれているので、ただ大きな声で怒鳴ればいいというわけにもいきません。

 

静かなる激怒、これがこんなに難しいとは思いませんでした。

何となくイメージはできるのですが、それが表に出てこないんです。

 

そして私はその時思いました。

 

『今まで人に激怒したことがない』ということに。

 

私は感情を晒け出す人をみっともないと思っていました。

喜怒哀楽の激しい人っていますよね?

私はそういう人を、遠く離れたところから見ていることが多かったです。

 

ですがそのような人こそ、人間臭い芝居が出来るんだな、と思いました。

本当に感情を晒け出すというのは難しい、私はその時そう思いました。

 

自分の感情に向き合うこと、晒け出すことがいかに大事なことなのか、23歳にして知ることになります。

 

「怒ったことないから怒れない」というのは完全なる言い訳ですが、怒ったことがある人の方が有利なのもまた明白な事実です。

 

後に感情表現が何たるかを知るのですが、この時はまだ知る由もありませんでした。 

「怒るのってこんなに難しかったっけ?」と毎週のように感じましたが、どうしようもありません。

 

この時の私は自分がどうすれば怒れるかしか考えていませんでしたが、それがそもそもの間違いだったのです。

 

「どうすれば怒れるか」ではなく「どうすれば怒っているように見えるか」を考えるべきなのです。

 

このことに気づかされるのは日ナレを退所したあとになるのですが・・・。

 

詳しくはこちらを参考に。

 

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そしてこれから声優を目指したいという方、お芝居をしたいという方、感情を抑え込むのは辞めましょう。

自分の中の引き出しや経験が少なくなるだけです。

 

薄っぺらい人間になります、本当に。

 

私の次なる課題はブチギレでした。

 

続く!